地球型天体領域と木星型天体領域の間、太陽から2 - 4天文単位の位置に小惑星帯がある。小惑星帯には地球2,3個分の物質が集まり、実際に多くの微惑星がここで形成された。これらは岩石質であり、後に融合して20個から30個の月から火星程度の大きさの原始惑星を作った[37]。しかし木星に近かったため、太陽より約300万年遅れてそれらが形成された後にこの近辺で大きな変化が起こった[33]。木星と土星の軌道共鳴が小惑星帯に部分的に強く働き、大きな原始惑星との重力的な相互作用は多くの微惑星を散乱させた。木星の重力はこの共鳴軌道の天体の速度を速め、衝突の頻度を高めた[38]。
木星の軌道が徐々に内側に移動してくると、共鳴点も小惑星帯の中を移動し、天体の密度や速度は激しく変化した[39]。共鳴の累積作用や原始惑星は微惑星を小惑星帯から散乱させ、または離心率や軌道傾斜角を増大させた[37][40]。大きな原始惑星の一部は木星の重力によって弾き出されたが、他はさらに内側に移動し、地球型惑星への最後の付加物となった[41][37][42]。この第一の質量減少期 (depletion period) の間に、巨大ガス惑星と原始惑星の効果によって、小惑星帯の総質量は地球の1%以下にまで減少し、そのほとんどが小さな微惑星で占められるようになった[40]。現在は地球質量の約2000分の1であり、この段階ではまだその10倍から20倍程度が残っていた[43]。現在の質量にまでなった第二の質量減少期は、木星と土星が現在の2:1の共鳴軌道に入ってからだと考えられている。
現在地球に存在する6×1021kgに及ぶ水も、内部太陽系のジャイアント・インパクト期に初期の小惑星帯からもたらされたと考えられている。水は、地球形成時から存在していたとするには揮発性が高すぎるため、太陽系のより外側の、より低温の領域から供給されていたはずである[44]。この水は、木星によって小惑星帯から弾き出された原始惑星や微惑星からもたらされたと考えられている[41]。2006年に発見されたメインベルト彗星(英語)も、地球に水をもたらした候補と考えられている[44][45]。対照的に、エッジワース・カイパーベルトや以遠から来る彗星は、地球の水の総量の6%以下にしか寄与していないと考えられている[46][1]。パンスペルミア説では、生命自体がこのようにして地球にやってきたとされているが、この説は広く受け入れられているとは言えない。
惑星の軌道の移動
星雲説では、巨大氷惑星(天王星型惑星)とも呼ばれる外側にある2つの惑星の位置は説明ができない。天王星と海王星はガスや宇宙塵の少ない領域にあり、軌道周期も形成には長すぎる。そのためこの2つの惑星は、物質がより豊富に存在していた木星や土星の近傍で形成され、数億年かけて現在の位置に移動(ミグレーション)したと考えられている[27]。
外部惑星が形成後に移動したと考えることは、太陽系の最外縁領域の存在と性質を説明する上でも不可欠である[28]。海王星以遠の太陽系外縁部にあるエッジワース・カイパーベルト、散乱円盤、オールトの雲等は氷で出来た小天体がまばらに存在する領域で、多くの彗星の発生源と考えられている。これらの太陽から遠い場所では原始太陽系星雲が散逸する前に惑星を形成するには凝集が遅すぎ、また宇宙塵の円盤も惑星を形成するには質量密度が十分ではなかった。エッジワース・カイパーベルトは太陽から30天文単位から55天文単位付近に存在し、散乱円盤は太陽から約100天文単位以遠にまで達し[28]、オールトの雲は約5万天文単位あたりから始まっている[48]。しかし元々、エッジワース・カイパーベルトは今よりも密度が濃くまた太陽に近く、外縁は太陽から約30天文単位、内縁は形成されたばかりで今よりやや太陽に近かった頃の天王星や海王星の軌道(15から20天文単位で、現在とは逆に海王星より天王星の方が太陽から遠かった)のすぐ外側にあったと考えられている[28][1]。
太陽系の形成後、巨大惑星の軌道は、それぞれお互いの重力の影響を受けながら、残っていた多数の微惑星と共にすこしずつ移動してきた。5億年から6億年経つと、木星と土星は2:1共鳴の軌道に落ち着き[28]、この共鳴により外側の天体がさらに外側に押し出された。海王星は天王星を追い越して原始カイパーベルトに入り込んだ。それらの惑星は外側に向かって移動する間に、氷で出来た小天体の大部分を内側へ散乱させた。散乱させられた微惑星は次の惑星に出会うと、同じように内側へ移動する間に惑星の軌道を外側へ動かした[49]。このプロセスは微惑星が木星と相互作用して、その重力によって離心率の高い楕円軌道に移るか太陽系から完全に放り出されるまで続いた。これによって木星はわずかに内側へ移動した。これらの木星によって楕円軌道に散乱させられた天体がオールトの雲を形成した[28]。海王星の移動による散乱の度合が低かった天体が現在のエッジワース・カイパーベルトや散乱円盤を形成した[28]。このシナリオはエッジワース・カイパーベルトや散乱円盤の現在の質量の少なさを説明する。冥王星を含む一部の散乱させられた天体は、海王星の軌道と重力的に結びつき、平均運動共鳴の状態になる[50]。最終的に、微惑星円盤の摩擦が天王星と海王星の軌道を再び円形にした。
木星型惑星とは対称的に、地球型惑星の軌道はジャイアント・インパクト期以降は安定しており、太陽系が寿命に達するまで大幅に移動することはないと考えられている
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